旅する柿の種

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青根温泉「不忘閣」で贅沢な温泉満喫旅~後編~

「不忘閣」1泊旅。今回は後編になります。前編はこちら↓

 

raisyutabi.hatenablog.jp

 

 

食事

お食事は朝夕ともに個室でいただきます。こんな雰囲気のある通路を通り、障子を開けると個室になっていました。

夕食

夕食は18時から。案内いただいた個室に入るとすでに一部献立が並んでいます。

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席につくと飲み物のオーダーを聞かれたので、テーブルに並んだお料理を見て「日本酒だ!」と笑。せっかくなら地のものを…と思い、青根温泉でつくられたという純米大吟醸をチョイス。


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美しい酒器。私は普段日本酒はあまり飲まないのですが、このお酒はさっぱりとして飲みやすくて、グビグビいきそうで危険でした笑。よく冷えていてお料理にもとても合って、おいしくいただきました🍶

本日のお品書き。


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先にならんでいたのは先付と八寸、酢の物。


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先付は銀杏豆腐と柚子釜焼茸ポン酢和え。この、きのこ×柚子×いくらの組合せが香りよく、もっと食べたい!と思うほどでした。


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八寸は、ひとつひとつが丁寧につくられているのがわかります。そしてお酒に合う!秋刀魚のみぞれ煮や公魚(わかさぎ)など、(山の上なのに)魚が多い印象ですが、どれも絶品。他にも茄子のゴマ和えがシンプルに美味しくて。勿体なくてちびちび食べていました。八寸までですでに高まる満足度。


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順番戻りますが、食前酒の柿ワインと、お品書きでは後半に書いてあった酢の物の鯵南蛮漬け。柿ワインは柿の香り広がるジュースに近いようなワイン。鯵の南蛮漬けはレモンをちょっとしぼってさっぱりといただきました。

…と楽しんでいる間にお造りがきました。


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蛸、鱒、鯛、甘海老。一見わからないのですが、蛸の表面がほんのすこーしだけ炙ってあったんですよね。お造りでさえそうやって手が込んでいるんです。地元蔵王で捕れた鱒も美味しく、口の中に広がる甘みを堪能しました。


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伊達椀は鱸の塩焼と沢もだし。この鱸の塩焼が焼いてあることによって風味がよく、身も口の中でほろほろと崩れつつ旨味が広がるので、非常に美味しかったです。沢もだしってなんだろう?と思って調べたら、きのこなんですね。こういう、普段食卓ではお目にかかれない食材がでてくるのもいいですよね。山の温泉ならでは。

椀を持ってきていただいたタイミングで台物に火を付けてもらった記憶。この日は塩ちゃんこ風寄せ鍋。あの…私ちゃんこ鍋って食べたことがなくて。鶏だしなのがちゃんこの特徴なんですかね。味付けがとても好みで、もっと食べたい!と思ったほどでした笑


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凌ぎは、川音亭の手打ちそば。川音亭は、川崎町方面から青根温泉に登っていく道のりの途中にあるお蕎麦屋さん。そこから仕入れているということでしょうね。人気店で、土日は混むらしいという噂は聞いたことがあるのですが、ここで食することができるとは思いませんでした。コシがすごくあるお蕎麦というわけではありませんでしたが、喉越しよくツルツルといけちゃいます。


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続いては煮物。万年もち米万頭。もち米独特のねっとりとした食感と、お出汁の味付けの組み合わせは間違いありません。なんか、、こういうシンプルなお料理にこそ、おいしさが宿るなって思いました。シンプルだけど、めちゃくちゃ美味しかったです。

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焼き物は鰆の西京焼き。そしてつぶ貝のバター焼き。西京焼きの濃いめの味付けが鰆とよく合います。つぶ貝のバター焼きは説明不要ですよね、絶対美味しいやつ(笑)


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そろそろ終盤かな…?と思いながらお品書きを見ると、まだあるという。かなりの品数で嬉しい。

茶碗蒸しと御飯と味噌汁、そして写真はありませんが香の物がきました。味噌汁はなめこ汁。…もうね、お腹いっぱいなのに箸が止まらないんですよ!美味しくて!!御飯と味噌汁と香の物というシンプルな構成なのに。

最後、デザートは栗プリン。自家製なんですかね。お品書きにあるように濃厚で美味しい栗プリンでした。お茶と一緒にいただきました。

 

品数多く、一品一品が本当に美味しいから夢中になって食べているので、どんどん食べれてしまう夕食でした。本当に美味しくいただきました!

朝食

朝食も(たしか)夕食と同じ個室でいただきます。個室に入ると、すでにメニューが並んでいます。

刺身こんにゃくにサラダ、鮭とかまぼこ。そしてデザートのオレンジ。

真ん中の長方形のを開けると、ご飯のお供たちが3種類も鎮座しています。これはご飯おかわりの予感…!

右上の小鉢は、ふたを開けると油揚げ+がんもどき??のような1品。

そしてこれだけではなく、湯豆腐と温泉卵、そして香の物もあります。これにご飯とお味噌汁ですからね…!最強の旅館の朝食でしょ。間違いないんですよ、ほんとに!

夕食でも思ったんですけど、ご飯の炊き方が最高なんですよね!何故だか家で食べてるのと違うんですよねぇ。同じひとめぼれなんですけど。上等なひとめぼれを仕入れているのか、それともやはり炊き方なのか…。朝食は特に、”ご飯のお供”がたくさんあって、結局ひとりでおひつを空にしてしまいそうになるほどご飯をおかわりしてしまいました。本当に美味しかった…!

食べかけで恐縮ですが、湯豆腐も王道ながら間違いない具材たち。

この後何杯も食べたご飯。そしてお味噌汁。

朝食も夕食も、本当に大満足でした。個室でゆっくり自分のペースで食べることができたのも、良かったですね。

歴史に触れる

不忘閣は歴史ある旅館で伊達家とも縁があるので、古い調度品や歴史的価値のある品々を拝見することができます。歴史好きならずとも見ていて面白いものがあったので、ちょっとだけご紹介。

おやすみ処

正確にいうとおやすみ処の近くに置いてあったものですが。

タバコ?の自販機でしょうか。コインを入れるところはわかりますが、どこからどうやって出てくるのか??

この見たことのない代物はなんだろう?とよく見たら…

酒燗兼湯沸し器、とのこと。「河野式」でググってみたら、コーノ式珈琲サイフォンというのが今でもあるらしく。もしかしたらその会社が昔生産していたのかもしれませんね。違ったらごめんなさいですが。

青根御殿の見学会

不忘閣では、毎朝8:50~青根御殿の見学会があります。外からみると別棟のように見えますが、渡り廊下のような通路で繋がっているので外靴に履き替えなくてもそのまま行けます。

伊達のお殿様ゆかりの品々が展示してあり、女将さんが解説をしてくれます。

学芸員資格持ちとしては、保管方法これで大丈夫なのだろか…と多少心配にはなりましたが余計なお世話ですね…笑

貴重な紙の資料もたくさんありました。古い宿帳も残っていて、写真にはありませんが与謝野晶子も宿泊しているそうです。

照明も素敵でした。

この青根御殿にある調度品や資料だけでも、下手なそのへんの博物館よりよっぽど面白いなと思ったり。朝食後という、最後にお風呂に行ったり帰り支度をしたりと、ちょっとバタバタしがちな時間帯ではありますが、一見の価値はある見学会でした。

チェックアウト

帰りは10時チェックアウトで、そのまま帰りもアクティブリゾーツまで送迎いただきました。来た道を戻る感じなので、アクティブリゾーツから高速バスに乗り、仙台方面へと帰路につきました。

 

今回、初めて青根温泉に宿泊し、ずっと行ってみたかった不忘閣に1泊しましたが、湯巡りできるいくつもある温泉も、食事も、そしてスタッフの方の気遣いも、何もかもが大満足でした。不忘閣はひとり泊だと休前日は基本取り扱いがないようなので、平日に休みをとっての宿泊になりますが、のんびり湯巡りしつつ、歴史浸りながら美味しい御飯を食べるという、ひとり泊を存分に楽しめる旅館(むしろ湯巡りで忙しいまでありますが、、笑)だったので、また時季をみて宿泊したいと思います!