旅する柿の種

旅に出たり、美味しいもの食べたりするブログ。一人旅多し。

春の温泉花見旅~後編~

春にまたも青根温泉に出かけた旅の、今回は中編。前回はの記事はこちら↓

 

raisyutabi.hatenablog.jp

 

 

今回お世話になるのは、「山景の宿 流辿」というお宿。じゃっぽの湯からすぐのところにあります。

今回は宿泊割を使って泊まらせていただいたのですが、お値段の割にかなり満足度の高い旅館だなと感じました!いま思い出しても、また泊まりに行きたいと思っているくらいですw

 

 

チェックイン

チェックインは15時から。すでに建物前の駐車場は満車に近く、少し離れた広々とした駐車場に車を停めます。ちなみに系列のちょっと高級宿「流辿別邸観山聴月」も同じ建物でチェックインをし、中でつながっている仕組みなので、それもあって駐車場が混んでいたのかもしれません。

館内と貸切風呂、食事の時間などの説明を受けて、さっそくお部屋へ向かいます。

 

お部屋

 

この旅館にはいくつかお部屋の種類がありますが、今回私が宿泊したのは一般客室といわれる、ごく普通の和室のお部屋。ほかにも特別室やモダン室といった改装されたお部屋がありますが、ひとり旅だしそんなにこだわりがないので、一般客室を選択しました。トイレ、洗面は別ですが、あまり不自由しませんでした。

 

お部屋の中はこんなかんじ。6帖で縁側もないため狭く感じるかもしれませんが、ひとりなので十分です。宿のHPには定員3名と書いてありましたが、このお部屋は1~2名用な気がします。3名だとちょっと狭いかな、というか寝る場所がない?

ちなみにすでにお布団が敷いてあるように見えますが、これは実はベッドなんです!たしかにこの6帖の空間で、布団が敷きっぱなしのところでご飯を食べるのは(今日は部屋食です)ちょっとなぁと思わなくもないのですが、ベッドだと気持ちがちょっと違いますね!ベッドだったら仕方ないかなぁ、みたいな?ま、気の持ちような気もしますがw私はちょっとそういうところを気にしてしまうタイプなので、ベッドなのはありがたいなぁと思いました。

室内の設えは最低限(テレビとか金庫とか)で、湯沸かしポットはありますがなんと給茶セットなどもありません。そのかわりロビーにドリンクコーナーがあって、そこで飲むことができます。とはいえ紙コップとかでは準備されておらず、部屋に持ち込むことはできなさそうでしたので、ちょっとそこは不便というか、お風呂上がりなどに飲み物がなにもなくて困りましたが(だから必要あればロビーで飲んでくるしかなさそうです)。

さて、せっかく早々にチェックインしたわけですから、何を置いてもお風呂にいきます!

お風呂

お風呂は貸切が1つと、露天風呂と内湯が各ひとつずつあります。女湯は露天風呂と内湯がつながっていますが、男湯は露天風呂と内湯が別々にあるのでちょっと面倒かもしません。

貸切風呂「青根の湯」

フロントからエレベーターを通り過ぎたさらに奥(館内案内図参照)に貸切風呂があります。宿泊中は誰でも、空いていれば入ることができます。時間制限は30分です。

入口の掛札が「空き」になっていることを確認してそれをひっくり返し、扉を開けて鍵を閉めます。入口を入ると、ちょっとした廊下があります。

 

それをさらに進むと、今度は下りと階段が続きます。

 

写真はありませんが、この廊下を抜けると簡易的な脱衣スペースがあります。そこに温泉成分表が貼ってあったり。

源泉100%掛け流しです。加温や消毒などもなし。最高!そしてこの脇にある扉を開けると…

おお!こじんまりとはしていますが(むしろ貸し切り風呂だからこその、これくらいの大きさがちょうどいい)、THE青根温泉的な、無色透明のお湯がドバドバ流れてきています。この源泉掛け流しを独り占めできるという贅沢。ですね、好き!

 

見上げると、ちらちらと桜🌸網が掛かっちゃっているのは残念ですが、青空と桜を見ながら温泉に入るという幸せ~

そして、入って右側にはこんな入り口(?)が。

入ってみると…

穴ぐら!!湿気がこもっている感じがあるので、ちょっとしたサウナ的な感じ?長居はできなそうですが、昼なのに夜を感じられる雰囲気も良し!露天風呂がある温泉はごまんとありますが、こんな穴ぐらのような空間があるのは珍しいような?初めて観た気が!しかも貸し切り風呂で!

内湯+露天風呂「陽光の湯」「ご来光の湯」

すばらしい貸切を経験してしまうと、そちらばかり行ってしまいたくなるのですが…実はここの温泉は貸し切りではない露天風呂もとても素晴らしいのです!!

男性は内湯と露天風呂が別々の入り口になっているのですが(脱衣室も別)、女性は内湯からそのまま露天風呂に行ける形式になっています。

写真はないので公式HPをご覧いただくしかないのですが…

 

www.aoneonsen.com

このHPに掲載の写真でも伝わるのではないでしょうか!?「山景の宿」と謳っているのは間違いなくて、眼下に青根の自然が広がるのですが…なんと女湯のほうは、目の前が大きな桜の木なんです!上記「陽光の湯」の夜の写真でライトアップされている木ですね。ライトアップされ、また月光に照らされる桜木を眺めながら、温泉に入るんですよ…幸せすぎませんか。。

またも上記HPの写真をみてもらうとわかるんですけど、浴槽内に木の棒が横たわっているのが見えると思うのですが、この棒から景色側に向かって床高が高くなっていて、木の棒に頭を乗せて寝転んだような状態で景色を堪能できるんですよ。この日の湯加減はそこまで熱くなく、どちらかといえばぬる湯に近い状態だったんですけど、貸し切りではないので時間を気にせずにずっと入っていられて、本当に極上の幸せでした…。私は今回休みの日の土日を使っての宿泊だったのですが、夜8時くらいだというのに他にだれも入ってこなくて、文字通り貸し切り花見風呂を堪能させていただきました。いや本当に最高だった…。これを目的にしてまた春に絶対来るぞ!と心に誓った瞬間でしたw

ちなみに、特に桜を狙って予約したわけじゃなくて、本当にたまたま行った日がちょうど桜が満開の日だったんですよ…自分の強運っぷりにびっくりしましたw

清潔な洗面所は快適

上述のとおり私が今回宿泊した部屋にはトイレや洗面所がないのですが、別できちんとした洗面所が用意されていました。



昔ながらの湯治宿なんかだと、洗面所は廊下の一角に昔ながらのそのままになっているようなところもあるのですが(それはそれでいいけれど)、この旅館はリフォームしたのかモダンな雰囲気の洗面所で、思わず長居してしまいたくなってしまいそうな空間でした。

その理由のひとつとして、なんとマニキュアのセルフサービスがあったりするのです!これはあまりないサービスですね、些細なことですが嬉しいです。ここで使って下さいという注釈はありましたが、清潔で綺麗な空間だからこそ、のんびりネイルをするのもまた良かったりして。

屋上から青根を一望

ここの旅館は、そんなに建物の高さがあるわけではないのですが、屋上が解放されており、青根の山々を一望することができます。

屋上に出るとこんな景色が。

連なる山々が見えます。下の方にちらっと桜が見えていますが、山の中にもよく見ると山桜がぽつぽつ咲いていました。そんな中でウグイスが鳴いていたりして…春ですねぇ。

今回は春に訪れましたが、今度は紅葉の季節もいいかもしれないですね!

 

そして、これはもしや夜は満点の星空が…!?と思って、かなり期待していたのですが、(晴れてはいたのですが)降るような満点の星空というわけではありませんでした。というのはこの日は月齢が満月に近くて、月明りが光々としていたからかと思います。とはいえ星はたくさん出ていて、夜だというのにしばらく屋上でぼーっとしていました。それもそれで、良い時間。

食事

お食事は夕食、朝食いずれも部屋食での提供でした。ひとりだしコロナ渦だし、部屋で気兼ねなくゆっくり食事をとることができるのはありがたいですね。部屋食ということもあってこの旅館を選んだ、というのも実はあります。

食事の前に、実は別注で山菜の天ぷらが注文できると聞いて、迷うことなく事前オーダーしておきました。山の宿ですし、ちょうど春だし、山菜が食べたいと実は旅のあいだ中ずっと思っていてw正直、今まで泊まった他のお宿と比べてお値段はそこまで張らない旅館なので、お食事は期待していなかったのですが、オプションでつけられてるのであれば!ということで注文しました。

注文はいまどきっぽくネットでお部屋から行います。館内案内にQRコードが付いていたと思うのですが、それを読み込んで注文します。

夕食

食事はあまり期待していなかったと上述しましたが…先に謝っておきますw控えめに意ってめちゃくちゃ良かったです!「最高すぎない?」って何度心の中でつぶやいたかw私が写真取り忘れているだけかもしれませんが、お品書きはありません。

食事全景(?)を撮ろうとしたけれど写しきれませんでした。これがテーブルの右側。

ちょっとピンボケしていますが、これがテーブルの左側。ご飯・味噌汁と焼き物、デザート、なにやら紙袋までありますね。

まずは温かいうちに天ぷらをいただきます。

あまり天ぷらに詳しくないのですが、タケノコ、こごみ(orぜんまい?)、ふきのとうあたりはわかりました。コシアブラもあったかなぁ。でも何でもいいんですw、とにかく美味しければ。抹茶塩でいただくというのもいいですねぇ。天ぷらは塩派です。

いわゆる先付などですかね。山の宿なのに刺身?と思うかもしれませんが、鱒はこの青根温泉がある川崎町でとれる川魚ですね。以前宿泊した「不忘閣」でも出てきた地のものですね。

もちろん山菜も入っています!このこごみ(?)も春の香りがしてとても美味しくいただきました。

おしのぎでお蕎麦。地元のお蕎麦でしょうか。白髪ネギと一緒につるつるといけちゃいます。もっと食べたかったw

食べかけ失礼!お麩と豚肉の味噌鍋(といえばいいでしょうか)です。お味噌というのが珍しいですよね。このあとのお椀もですが、色の濃い赤味噌が使われています。このお味噌が豚肉と合う!お麩や豆腐など、比較的素材の味が淡泊なものが具材となっていますが、だからこそ味噌味がちょうど良くて!最後は卵を落として卵とじのようにして〆ます。最高です。とても美味しくいただきました。

御飯はなんと白米ではなく、豆ご飯に佃煮が乗っています!こういう些細なところが嬉しい。お椀の赤味噌のお味噌汁とも合います。

焼き物は牛と野菜。夏先取りのような素材ですが、なんといっても牛が柔らかくて、味もしっかりあって旨味が口の中で溢れました。

デザートはガトーショコラと抹茶の…これはなんだっけか。失念してしまいました。すごく柔らかかった記憶はあるのですが。

そして謎の紙袋の中身は…お夜食として、キャラメルスコーンでした!写真撮るのを忘れてしまったのですが。別注した天ぷらを除いたとしても、これだけの量が出て、しかもお夜食まで出るなんて!「料理でおもてなしをする」という気持ちが伝わってくる夕食でした。本当に大満足!

朝食

夕食を堪能してめちゃくちゃお腹いっぱいになった次の日の朝食…もちろん期待しないわけにはいきませんw

まだ食べていないのに、まず見ただけで「最高の朝食だ…!」と思いましたw

定番のサラダ、卵焼き、温泉卵、鮭などの定番(だけど間違いなく美味しい)に加えて、お味噌汁が鍋台に乗っていて、温めながら食べられるのも嬉しい。

真ん中の小鉢3種はこんな感じ。特にこんにゃくとレンコンの味付けは、白米にめちゃくちゃ合います。そして温泉卵に漬物に納豆に鮭に…もう白米が止まらなくて、、おひつほぼ空にしてしまいました、ひとりでwそれだけで、この朝食がどれだけ美味しいかわかるかと思います…!

また季節を変えて泊まりたい

今回はじめてこの「山景の宿 流辿」に宿泊しましたが、温泉、食事、設備、どれをとっても満足度がかなり高いお宿でした!部屋は一番シンプルなやつでしたが、ひとりであれば十分で、なによりも良いお湯とすばらしい食事が満足度をグッと上げ、さらに屋上が解放されていたり、予約なしの誰でも使える貸切風呂があったりと、つかず離れずのような寄り添うような接客はないですが、適度に距離感はありつつも設備的なところやお料理なんかで「おもてなし」を感じられる宿でした。

また思いがけずちょうど桜が咲いている季節に宿泊となりましたが、花見をしながらの温泉は極上でしたし、また季節を変えて何度も宿泊したい宿となりました。