旅する柿の種

旅に出たり、美味しいもの食べたりするブログ。一人旅多し。

はじめてのイタリア旅行記 羽田~ミラノ編

昨年、かなり久しぶりに海外旅行へ出かけました。行き先ははじめてのヨーロッパ、イタリア。いつものひとり旅とは違って友人とのツアー旅でしたが、日本とは全く違う文化に驚きつつも楽しい日々を過ごしてきたので、箇条書きの備忘録という名の旅行記を残しておきたいと思います。
本日は羽田空港からのドーハ経由でミラノに降り立ったところまで。
 

羽田空港

羽田空港に降り立ったことはあったけれど、ここから出国するのは初めて。4,5年前に興味本位で飛行機も乗らないのに遊びに来た以来。
・東京駅から30分かからないで来れるのね(電車で)。便利。成田は成田エクスプレスとかを使わないといけないのに比べるとめちゃ楽。
・出国は夜中の1時過ぎ。羽田に着いたのは21時過ぎだったけど、まだまだ活気がある。免税店や飲食店はほとんど閉まっていたけれど。
・軽食ではなくちゃんと食べられるお店でほぼ唯一開いていた「六厘舎」が長蛇の列。この時間(深夜0時ごろ)によくガッツリラーメン食べれるな…
・夜中0時でも出国する人たちはたくさんいて、その「六厘舎」あたり(フードコードみたくなっている)は大混雑。むしろ混みすぎていて席がないレベル。需要ありそうだからもっと長い時間営業してたらいいのに。
・時間があれば早めに羽田に着いて、お店とか見て回りたかったなぁ。仕事をしてから来たのでそんな時間は無し。
・久しぶりに出国手続きしたら、パスポートを機械に自分で読み込ませて顔写真撮られて終わりという手軽さ。パスポートにスタンプは押されない。
・空港内、外国人がたくさん。観光にもたくさん来てるのね。

羽田→ドーハ

・羽田→ドーハは約11時間半。おそらく人生史上最長フライト。
・コロナ渦にYouTubeでファーストクラスやビジネスクラスの搭乗記をたくさん観ていたので、機内に入って最初に目に入ったそれらの座席に一瞬心躍る。が、私の席はそのエリアを通り過ぎたエコノミー。
・3列シートの真ん中…
・同行者の勧めで持参した「メディキュット」を脚に装着。これをするかしないかで、11時間全然快適さが違う、ということを帰りの便で思い知る。長時間フライトには必須アイテムということを今後のために覚えておきたい!
・ほぼ定刻で出発。したのも束の間、日本時間にして夜中の2時過ぎくらいに機内食が出てくる。まじか…。全くお腹が減ってないので、ほんの数口だけ食べて残す。あぁ勿体ない(いつもなら食い意地張るタイプ)。
・機内エンターテイメントはまぁまぁ。日本語吹替や邦画は少なめ。でもディズニー映画が少しある。この便含めて4度おなじカタール航空に乗ったが、便によって映画の種類が違う(と思ったけど、探し方が悪かっただけ?)
・仕事をしてから羽田直行しており、夜中だし本来疲れて寝てもいいはずが、やはり寝れず。乗り物のなかで寝れた試しがない。諦めて持参したイヤホンで音楽を聴きながら、うとうと。
・日本時間9時半くらいに2度目の機内食。日本時間換算で朝食扱いなのか、ラインナップにパンケーキがある。正直1度目の機内食から1歩も動いてない+フライト疲れで全く食欲出ず。こちらも数口だけでやめる。
・いつもなら機内でほとんど席を立つことはないのだが、さすがに11時間半だとトイレにも行きたくなる。ということでおそらく初めて飛行機内のお手洗いを利用した。ドアを開けるのが難しい(一見トイレのドアに見えなくて戸惑う)。

ドーハ→ミラノ

・現地(ドーハ)時間の朝6時くらいにドーハ着。ボーディングブリッジはなく、飛行機から階段で降りてバス移動…の一瞬外に出たら、ものすごい暑さ。体感32℃くらい。え?朝6時だよね??
・ドーハの天気予報をみたら、最低気温31℃、最高気温40℃の表示。まじか……
・そういえば2022年のサッカーW杯、めちゃくちゃ暑くて、って話があったような。
・空港についたらとにかく乗り換え第一。乗り換えのセキュリティチェックの時点で水とかは没収されてしまうので、機内食のときにゲットしたペットボトルの水は持っていけない。
・全く読めないアラビア語。英語だけが頼り。
・ハマド国際空港はハブ空港らしく、ものすごく巨大。乗り換えも端から端への移動だったのか、かなりの距離を歩く。おかげで空港内をゆっくり観るということは全くできず(乗り継ぎ時間がそんなになかった)。
・空港内はとても華やか。車の展示まである。そして綺麗。調べたら2014年に出来た空港らしい。しかもまだ拡張建設中らしい。ただでさえ巨大なのに…
・有名な(?)大きい黄色いクマ(´(ェ)`)は見れた!

ランプベアというらしい
・はじめて降り立った中東(入国はしてないけれど)。布を纏っている人がたくさんいて、異国にきたことを実感。頭に荷物を載せて運んでいる人もいる!すごい!
・羽田ではがっつり椅子を2席使って寝ている人がちらほらいたが、この空港ではほとんど見かけなかった。時間帯の問題?
・ペットボトルの水が欲しい。けど売っていない。売店がない。自販機もない。ここは日本ではないのだ(搭乗口付近に売店がなかっただけで、たぶん売店はある気がする。朝早かったから営業していたかは謎だが)。
・この時点で日本時間マイナス6時間。朝6時だけど日本時間は昼12時。若干時差ぼけを感じる。
・ドーハ→ミラノは6時間弱。すでに11時間半のフライトを経験したあとだと、とても短く感じる。
・飛行機の離陸と同時にスタジアムやリゾート地のような景色が見える。そしてその後ビル群が見える。カタールって結構都会なのか(どんな国か全然知らなかった)。
・ただしすぐ砂漠のような土ばかりの景色になった。
・離陸後1時間くらいで機内食。時差とフライト疲れもあって全くお腹が空かず、デザートのみちょっとだけ食べる。逆にこんなに食べていないのにお腹が空かないのどうなんだ。

ミラノ

・ミラノの空港はカタールの空港と比べてかなりシンプルだし小さい(ただし到着ロビーあたりしか行っていないので実態は不明)

・入国審査的なのも日本同様簡潔。

・トランクがちゃんと届いているか、壊れていないか不安だったが、無事手元に。同じツアーの人でロスバケした人はいなくてよかった。

・暑さは多少あるが、ドーハに着いたときよりはマシかな…

・すぐに観光バスに乗って、ミラノの街中へ。はじめて降り立ったヨーロッパ。イタリア。車窓からの景色はあまり日本と変わらないか?

・と思ったら、ミラノの街中に近づくにつれ、「これぞヨーロッパ」的な景色がみえてくる。うわぁ、本当にイタリア来ちゃったんだ!

・ミラノにつくと、バスから降りていざ観光!スフォルツェスコ城を外からだけ観て、ガッレリアを通り、ドゥオーモまで歩いて。現地在住の日本人ガイドさんに案内していただく。

・スフォルツェスコ城は、いわゆる「お城(シンデレラ城みたいなの)」というよりかは、城壁っていう感じ。もちろん外からしかみていないので、その印象だが。

スフォルツェスコ城

・ガッレリアはTDLワールドバザールのモチーフになったそう。たしかにそんな雰囲気。内部のお店は高級店ばかり。唯一、私でも入れそうな本屋さんがあって、イタリアの本を1冊買った。

・ガッレリアの十字路の交わる付近にあるモザイクタイルのところに窪みがあり、そこの窪みに踵を併せて3回転する?と幸せになれるという言い伝えみたいなのがあり、人だかりが出来ている。次々と回転する人が現れるので、やるならばタイミングを見計らって走って中央に出て行かないといけない。当然たくさんの人たちの注目の的になる。それでもやる。私も勇気を出してやった。やらない後悔は嫌なので。

・ガッレリアの中のお店に「Camparino in Galleria」というバーがあり、そこがなんとカンパリの発祥の地だということをガイドさんから聞く。たしかに店名そのままだ。これは行かねば!と勇んで行ったが、いきなりイタリア語で話しかけられてたじろぐ。拙い英語でカンパリオレンジを飲みたい旨話したらわかってくれた。カウンターで立ち飲み。おつまみも置いてあって、自由に食べて良いらしいということをガイドさんから聞いていたが、本当に食べていいのか自信を持てなかったのでカンパリオレンジのみいただく。私には強くてちょっと酔う…。でもちょっと苦みのあるカンパリオレンジはとても美味しかった。いい思い出。

・いわゆる「ミラノのドゥオモ」がやばかった!!!事実上、イタリアで最初にみたゴシック建築だというのもあったけど、本でしか見たことのなかった象徴的な外観、細かい彫刻、内部のステンドグラス、中で流れる音楽…などなど全てがあまりに美しくて、人生で観た建築のなかでトップに躍り出るレベルに感動した。建物の中で泣きそうになった…。時間があまりなく、30分も滞在していないけれど今回の旅いきなりハイライトか?というくらい印象的だった。

ミラノのドゥオモ

・夕食はガッレリア近くのお店でリゾット。チーズが濃くて美味しかったけれど、結構味付けが濃いめだったかな。色も濃いなと思った(真っ黄色のリゾットだった)。フライト疲れからか、カンパリオレンジのせいか、まったく食欲が沸かず(というかお腹が空いていない)、半分くらいで残してしまった。あぁ勿体ない。

・今回の旅で、同じツアーの人たちと話す機会があったが、「ミラノは行かなくてもよかった」という人たちが結構いた。たしかに滞在時間は短かったし、見所はそんなにたくさん無いのかもしれないけれど、私はドゥオモが観たかったので絶対に行きたかったところのひとつだ。実際、行けて本当によかった。

東京旅行記2022秋

2022年の晩秋、とても久しぶりに東京を旅した。久しぶりの東京は刺激的でもあり、でも少し思うこともあったので、ちゃんとこの短い旅の記録を残しておきたい!と、日記のような旅行記を残しておく。年を越してしまったけれど。

1日目

朝、地元の駅から新幹線のある大きな駅に電車で向かっていると、ピアスと髪ゴムをしていないことにハッとした。昔から旅のときには「腕時計」「ピアス」「ウォークマン」が必需品で、最近そのリストのウォークマンが髪ゴムに変わった(ウォークマンがなくともスマホで代用出来るようになり、代わりに髪が伸びたので髪ゴムが必須になった)。腕時計は最近ウェアラブルのをほぼ24時間着けているので問題なし、他のふたつは電車の時間に間に合わなくなりそうでバタバタと家を出たのですっかり忘れていたのだった。もちろんピアスは無くとも問題はないのだけど、この旅でつけうようと思って買っていたものがあったのに。旅の教訓:持っていきたいものはピアスだろうがなんだろうが前日までに鞄に入れておくこと。

先行き不安になりながらも、どうしてもピアスと髪ゴムを手に入れたかったので新幹線の中で地図検索。10時過ぎに上野に降り立ち、調べた駅構内の3coinsに向かう。今回の旅は予定を細かく決めていて、あまり時間がないのでさくっと決めて購入。300円だし。改札に向かいながら包んでもらった袋を開けて右耳にピアスを着ける。改札を出る。左手に持っている左耳のピアスを………あれ?左耳の…上着のポケットに入れた?………ない。え、手に持っていたよね?少しだけ来た道を戻るが、ない。明らかに落とした。買って1分でピアス落としたの、人類史上最速じゃない?とか下らないことを考えつつ、戻って探す時間もお金も(改札を出てしまっているので入場料が掛かる)勿体ないので潔く諦め。ますます先行き不安。心にモヤが残るが仕方ない。

上野は何度か来ているが、Google mapをチラ見しながら通ったことのない道を進む。自分の現在地を確かめながら、もうすぐ見えて来るであろう目的地に少しずつ心が高鳴る。旅行の度に思うが、一番楽しいときって、目的の直前ではないだろうか。「旅行の前日の夜」「今から始まるライブの直前」など、”今から始まること”を目の前にしたときが一番楽しくてわくわくしている気がする。そして着いた目的地は、国立東京博物館。通称トーハク。

 

目的はもちろん、今最もチケットが取れない特別展のひとつ、東京国立博物館創立150年記念特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」を観るため。チケットは発売日当日に職場の給湯室とロッカールームを行き来しながらなんとかゲットした。そのときは、正直こんなにチケットが取れないと騒ぎになっているなんて知らなかったのだが、あとからプレミアチケットだったと知り、そんなに貴重な展示ならばしっかりと観たいと思い、地元の図書館で国宝事典*1を借り、国宝展の目録PDFとにらめっこしながらひととおり作品の作られた年代や背景をさらった。我ながらこの予習はすごくよかったと思う。美術館や博物館は好きで興味がある特別展のときは観に行くことが多いが、正直いままでは観ても(余程予備知識がある内容でない限りは)自分のなかに吸収されずに通り抜けてしまっていた感じがしていた。それは興味がある/なしというよりかは、簡単にいうとその作品の”凄さ”がよくわかっていなかったからだ。その作品の背景がわかれば、もっと展示を観ることが自分のものになるのではないかと常々思っていた。今まではその日の思いつきで展覧会を観ることが多かったが、今回は行くと決まってから当日までそれなりの時間があったので、トライしてみた。

事前にTwitterの英知で、「ロッカーが埋まっていることが多い」「物販がめちゃくちゃ並ぶ」「中に入るのにも並ぶ」「展示も人気のものは人だかりになっている」などの情報を得ていたので、それを基にまずは国宝展の会場である平成館の前に本館に向かった。図録をどうしても購入したかったので、まずは本館のショップに立ち寄り国宝展の図録を購入。それと大きな荷物をまとめて本館のロッカーに入れた。10時半前の時点で本館のロッカーは十分空いており、身軽になってから平成館に行けたのはすごくよかった。ありがとうTwitter

本館の展示には(一旦)目もくれず、平成館に向かう。この時点でちょうど10時半すぎ位だったと思う。ものすごく並ぶことを覚悟していったが、3列形成だったからか10分くらいで入り口まで行けた。私はトーハクのWEBでチケットを購入したが、結構周りには紙チケットを持っている人も多くて、そういうやり方(コンビニで買うのかな)があることをそこで初めて知った。入り口に入ってQRコードを読み込んでもらい、エスカレーターで2階へ。

私は事前にアプリで音声ガイドをダウンロード済だったので、イヤホンをつけて準備…したかったけれど、会場内の電波が悪く、そもそもアプリがなかなか読み込めない。Wi-Fiも飛んでいたみたいだけど、パスワードが分からなくて困った(門で貰った案内の紙に書いてあった。のを後から知った)。じっと読み込みを待って、いざ展示へ。

ものすごい展示の量と、そこに群がる人。展示は二部構成で、第一部がいわゆる「国宝展」、第二部がトーハク150年の歴史。第二部になると人は結構散るが、第一部は特定の展示には人が何重にも。なのでじっくり観れないのもあった。屏風系とか、地獄草紙と呼ばれる地獄を描いた絵、あとは有名な土偶法隆寺宝物あたりは人気だなと感じた。でも、予習していたおかげで人があまりいない国宝を逆にじっくりみれて良かった。私が観たときは、たまたまなのか雪舟の「破墨山水図」の前にほとんど誰もいなくて、ものすごくラッキーだった。これは雪舟が弟子に与えるために描いたもので、そういう背景を知っているとより一層じっくりと観たくなるが、そうやってゆっくり観ていると本当に時間が足りなくなる。それでもかなりゆっくり観て、90分目安と言われている中申し訳ないけれど2時間半くらいかけて国宝展は観た。国宝に限らないことだけど、古墳時代とか飛鳥時代とか文字記録もろくにないような時代につくられたものが、ものすごい長い時を経ていま自分の目の前にある、というのが不思議でたまらなく、しかも国宝となるとかなり丁寧にこれまでも扱われてきたのがわかるので、知り得ぬ昔のたくさんの人の手によって受け継がれたからこそ今に繋がっている、そんなことを感じさせる展示だった。


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きっとまた未来の誰かの手によって大切に受け継がれていくのだろう。また150年後も、こうやってたくさんの人がこの展示物を観るのだろうか。そうだといいな。

第二部もすごく興味深かった。個人的に万国博覧会の歴史に興味があって色々調べたりしていたので、このトーハクのはじまりは明治政府の万博への参加にあるというのがなんとも"博物館文化"のはじまり感があってワクワクした。

ものすごく混んでいると言われていたミュージアムショップは、たしかに混んでいたけれどレジに並んだ時間は10分足らずだった。3-40分は覚悟していたので拍子抜け。たまたまだったのかな。ブックマーカーと銅鐘のキーホルダー(一部ステンドグラスみたくなっている)を購入。噂の土偶ぬいぐるみは売り切れで、コインケースのようなやつはあって暫く悩んだけれど、使う未来が見えなかったのでやめておいた。

そのあとは1階に降りて考古展示室へ。実は今回トーハク所蔵の国宝のなかでも一番見てみたいと思った展示がここに。それが「銀象嵌銘大刀」と呼ばれる古い刀で、これ自体は「獲なんとかかんとか大王」と書いてあることで有名なものだが、実はこれには魚と鳥の絵が掘ってあって、それがなんともユーモアがあって可愛い。

そのことをこの国宝展特集をしていたテレビ番組で知って、見てみたいと思っていた。あいにく国宝展では展示されないと知り残念に思っていたが、なんと常設されていた。国宝展自体は6期に分かれており、何度か通わないとすべて制覇できないことは知っていたが、まさか常設でも国宝が展示されているとは…(しかも展示されている国宝は他にもいくつかある)。本当はひとつひとつじっくりと観たかったが、時間がないのでさらっと。本来ならばこの考古展示室だけでも2時間くらいかけてじっくりみたい。埴輪がずらっと並んでいたが、どれもちょっとヌケているような表情なのは何でなんだろ。あと見たことのないような謎の形の埴輪もあって、見ているだけで楽しかった。考古楽しい。

そのあとは通路を抜けて本館へ。ここの展示が常設のメインだと思われるが、とにかく展示量が凄い。ここだけでさえ全部をしっかり観ていたら1日かかるのではないか?と思われるほど。残念ながら時間がないため歩きながらさらっとだけ観る。未来の国宝というテーマで、将来的に国宝になりそうな資料の展示もされていたが、ひとつの空間に資料ひとつだけというような展示の仕方がとても贅沢だった。なんなら国宝展より贅沢。それなりに観ている人はいたが、国宝展と比べると皆それぞれの建物に散るからかそこまての人混みではなかった。ここの展示をみるためにまた来たいと思う。

途中、庭園があったのでちらっとだけ観てみた。本館からだと一部しか見えないが、庭園の外側から散策している人たちもいた。時間があればここでゆっくり過ごすのもいいな。庭園に出る前のラウンジ空間のモザイクタイルがとても素敵だった。本館のミュージアムショップでグッズを買ったときに入れて貰った紙の袋のデザインが、このモザイクタイルの柄なのが粋。

予定していた時間になったので、ロッカーに預けていた荷物を引き取り、外に出る。来たときは本館・平成館にまっしぐらだったので、周りの景色を見る余裕がなかったが、実際外に出て自分のいる場所を見回してみると他にもいくつか建物があることに気づいたのだが、とても観る時間はなかった。特に表慶館に「150年後の国宝展」という幕がかかっていて、うわ、そっちを見ればよかった!と思ったけれど、もう遅い。本当にしっかりトーハクを見るとなると、数日掛かりな気がする。

図録を入れた重い鞄を引きずり、空腹を抱えながら(この時点で15時前)左手に芸大の建物を観ながら根津駅まで歩く。地下鉄で赤坂へ行き、ホテルへチェックイン。赤坂は久しぶりに来たが、大抵はそのままTBSあたりを散策することが多く、ほぼ初めて六本木寄りのエリアを歩いた。私のイメージする赤坂は高級料亭が並んでる街並を想像していたが、私の泊まったホテルのある辺りはチェーン店などが立ち並ぶエリアだったのでちょっと拍子抜け。ここまで食事をとる時間がないままにきてしまって、かといってお店に入ってゆっくり食事をとる時間もないので、ホテルにくる途中にコンビニでお蕎麦を買ってホテルの部屋で昼食替わりに食べた。蕎麦を食べながら、六本木に行くためのアプリでレンタサイクルの予約。ちょうど徒歩1分ほどのところに空き自転車があったので予約し、食べ終えてから向かう。初めて使うレンタサイクルのシステムだったのでちょっと戸惑ったが、開錠はできたものの今度は自転車のサドルの高さが変えられない(高すぎたがレバーが固すぎて動かない)。5分ほど粘ってやってみたがさっぱり動かないので、諦めて駐輪場に戻す。すぐに元の駐輪場に戻したので料金はかからなかった。

仕方ないので六本木まで歩く。赤坂から六本木まで歩いたことなどなかったが、途中高級マンションの脇を通り、犬の散歩をする人たちと何度かすれ違う。こんな日本でも有数の一等地にマンションを持ち、六本木で犬の散歩をするなんてどんな人生なんだろう。少なくとも私には一生手が届かなさそうだけれど、そんな人生を送りたいとも思っていないから悔しさとかはないのだけれど。1か月くらいだったら”体験”してみてもいいかな、なんて。久しぶりの六本木は、コロナ前には見たことのなかったアプリの広告を背負うタクシーで溢れていた。

20分くらいで目的地:EX THEATER ROPPONGIに到着。今日の、というより今回の旅行の目的は、「家政夫のミタゾノ THE STAGE ~お寺座の怪人~」を観劇すること。この劇場自体初めて来たが、入り口が2階という不思議構造だった。中はすでにクリスマスツリーなんかが飾ってあって、すっかり冬仕様。

お芝居自体は、素直に”何も考えずに笑える”内容でとても楽しめた。テレビドラマシリーズから派生した舞台版なので、当然ながらドラマからのコメディ色は強いのだが、ブラックな社会風刺的要素はちょっと弱かったかな。しかしそれ以上に、勢いのある展開と舞台ならではの笑いが、自分のこの1年の嫌なことを全部吹き飛ばしてくれているような感覚に陥った。まだまだコロナ渦で、東京までわざわざ観に行くかどうかかなり悩んだが、本当に観に来て良かった。今の自分に必要な観劇だった。

劇場を出ると、もうすっかり辺りは暗くなっていた。本当は六本木で軽く飲んで帰る、とかしたかったが、このコロナ渦でそれをするのは躊躇われた。実際、六本木の街を歩くと、私の住んでいる田舎とは違って3割程度の若者はノーマスク。仕方ないのでミッドタウンの地下をぶらつき、ベトナム料理屋さんでガパオライスのお弁当をテイクアウトした。そのあと、ずっと行ってみたかったJ-WAVEのけやき坂スタジオを眺めるために六本木ヒルズを歩いていると、人だかりが。遠目で観ると、けやき坂のイルミネーションをみんな撮影しているようだった。私もすこし場所をずらして撮ってみると、人だかりができているのはちょうど東京タワーが綺麗に写るところだったんだな、と気づく。東京のクリスマスは長いな、と思った。

J-WAVEのけやき坂スタジオを観てみたかったのは、2004年10月期の月9ドラマ『ラストクリスマス』のロケ地だったからだ。なぜそんな古いドラマを今更?という感じだが、このドラマをここ数年で見返していたら改めてハマってしまい(オンエア当時もハマっていた)、ロケ地巡りをしてみたかった。テレビの中でしか観たことのなかったけやき坂スタジオは、18年経っているにも関わらずあまり変わっていなかった。六本木のイルミネーションも相まって、あの”キラキラの月9感”をすこしだけ感じることができた。

ホテルまでの帰り道、ナチュラルローソンに寄ってお弁当と併せて食べるためにタイ風春雨サラダを買って帰った。ホテルに帰って食べたガパオライスのお弁当と春雨サラダの組み合わせが抜群に美味しくて、我ながら最高の夕食チョイスだった。

 

2日目

 

疲れが残る中、7時半にホテルを出て散歩。またもラストクリスマスのロケ地だったアパート(主人公たちが住んでいた)を外からちらっとでいいから見てみたく、歩いて30分くらいで行けそうだったので予定に組み込んでいた。東京のど真ん中・赤坂六本木の朝を散歩するという人生初の試み。信号待ちをしていると、反対側にスマホ片手の若いカップルが同じく信号待ちをして…いるかと思いきや、信号が変わる前にタクシーが停まり、走り去っていった。この辺りは結構坂がキツくて、ちょっとしんどかった。30分ほど歩いて、お目当ての建物発見。マンションなどが立ち並ぶエリアなのでただ前を通りすぎただけだが、18年前、画面越しに憧れたあの建物は何ら変わっていなかった。数年訪れなかっただけでだいぶ様変わりした(ように感じた)東京にあっても、時がそこだけ止まっていたかのように錯覚した。

さすがにお腹が空いたので、目星をつけていた北欧からきたコーヒーショップ:ロバーツコーヒーでモーニング。開店と同時くらいで入店したので人はまばらでちょっと安心。シナモンロールが甘すぎず美味しかった。大きいカップで飲んだラテとともにいい朝を過ごせた。ホテルまでの帰りはリベンジでレンタサイクル。ちょうど近くに沢山停まっているターミナルがあり、サドルの高さもバッチリ。自転車はすごく楽だったので、今後の旅でも取り入れていきたい。安いし(200円しなかった)。

ホテルをチェックアウトし、池袋へ。朝食を食べたばかりだが、どうしても行きたい行きつけのカフェがあった。池袋駅すぐにある、梟書茶房。人気店ですぐ満席になるのを知っているので、11時前に到着。すこしだけ待ち入店。いつも勉強机のような席に通される。食事系、甘味系含めどれも美味しそうで目移りしてしまうが、いつも『イベリコベーコンの醤油バターのパスタ』を頼んでしまう。家でも作れそうで作れない絶妙な味付けが本当に好きで、結局はこれにしてしまう。ここはブックカフェなので本や雑誌をいろいろ読めてその点も気に入っている。席には必ず数冊の本が仕舞ってあり、今回の席にはこんな本が。

料理人である著者がどこで何を思い仕事に邁進してきたか。エッセイなのでするする読めたものの当然全部は読みきれなかったので、続きが気になりあとから購入した。これまたとてもいい時間を過ごせた。いつもここでゆっくりしたいと思うが、いつもバタバタ時間なく出てきてしまう。待っている人もいるし。いつか平日にゆっくり来てみたい。

その後、新宿まで移動して紀伊國屋サザンシアターこまつ座『吾輩は漱石である』を観劇。…したはいいけども、ここにきて早朝散歩したのがよくなかったのか、途中で睡魔に襲われる。井上ひさしの同名小説版を読んで予習していったにも関わらず。読んだ印象としては、漱石をきちんと読んでいない私からしたら元ネタがわからないため、まずは漱石作品の予習をしないといけなかったなと思ったが、舞台でもそれは当然同じだった。井上ひさしでも、イーハトーボの劇列車はしっかりハマったのには予備知識があったからだなと思い知らされた。教養のなさはこういうところで損をする。でも余韻のあるラストだった。

劇場を出ると雨。少し気持ちが萎えたが、東京駅経由で舞浜へ。ディズニーに夕方からひとりで!?となるところだが、入園するつもりはなく、ボンボヤージュ(舞浜駅前のショップ)でディズニーリゾートで出してる傘が欲しかったから。何年もそのディズニー傘を使っていたのだが、数ヶ月前にどこかに置き忘れてしまった。ものすごく探したけれど結局出てこなくて、次に東京にいくことがあればたとえディズニーリゾートのなかに入らなくとも傘を買いに行こうと決めていた。それくらい紛失がショックだったし、愛着もあった。長年使っていたあの傘が手元に戻ってくるわけではないけれど、この傘を購入することで自分の気持ちに決着をつけたかった。たかが傘だけど。そんなに大事なら無くすなよという話だけど。

日曜日夕方の京葉線は、余裕で座れる混み具合。舞浜駅で降り、まずは目的のものを買うべくボンボヤージュへ。ちょうど雨だったので問題なく購入。そして折角だからお菓子も買って帰ろうと思ったらなんと売ってない。ディズニーに来たのも数年ぶりで知らなかったが、どうやらお菓子類はパーク内でしか売らなくなったらしい。なんでーー?仕方ないのでクリスマスグッズを数点購入。

新幹線まではまだ時間があるので、雨のなか散歩。ディズニーランドホテルまで歩いてみる。いつもは帰り道に遠目でしか見たことがなかったが、近くでみると夜の空に浮かび上がりとても綺麗だった。


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せっかく来たからディズニー感を味わおうと思い、ディズニーランドホテル前からリゾートラインに乗車。夜且つ雨で車窓からはあまり景色見えず。ぐるっと回って、リゾートゲートウェイで下車。イクスピアリをぶらぶらする。イクスピアリをちゃんと観て回ったのはおそらく17,8年ぶりくらい。複雑な造りになっていて若干迷ったものの、アンバサダーホテルになんとか辿り着く。アンバサダーホテルには行ったことがなかったので初めて観る。


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木に電飾はされているものの、そこまでのクリスマス感はなく。ただリゾートホテル感は満載なので、あんまりクリスマス感を出すと"映えの撮影所"になりかねない気がするから、秩序を守るためにこんなもんで良いのかもしれないとも思う。いつかこんな素敵なところに泊まれたら、どんなに素晴らしい日を過ごせるのだろうかと想いを馳せ、舞浜を後にした。

 

 

*1:そんな事典があることを今回初めて知った。県の図書館は持ち出し禁止だったが、地元の小さい図書館に置いてるのは貸し出し可能だった。

春の温泉花見旅~後編~

春にまたも青根温泉に出かけた旅の、今回は中編。前回はの記事はこちら↓

 

raisyutabi.hatenablog.jp

 

 

今回お世話になるのは、「山景の宿 流辿」というお宿。じゃっぽの湯からすぐのところにあります。

今回は宿泊割を使って泊まらせていただいたのですが、お値段の割にかなり満足度の高い旅館だなと感じました!いま思い出しても、また泊まりに行きたいと思っているくらいですw

 

 

チェックイン

チェックインは15時から。すでに建物前の駐車場は満車に近く、少し離れた広々とした駐車場に車を停めます。ちなみに系列のちょっと高級宿「流辿別邸観山聴月」も同じ建物でチェックインをし、中でつながっている仕組みなので、それもあって駐車場が混んでいたのかもしれません。

館内と貸切風呂、食事の時間などの説明を受けて、さっそくお部屋へ向かいます。

 

お部屋

 

この旅館にはいくつかお部屋の種類がありますが、今回私が宿泊したのは一般客室といわれる、ごく普通の和室のお部屋。ほかにも特別室やモダン室といった改装されたお部屋がありますが、ひとり旅だしそんなにこだわりがないので、一般客室を選択しました。トイレ、洗面は別ですが、あまり不自由しませんでした。

 

お部屋の中はこんなかんじ。6帖で縁側もないため狭く感じるかもしれませんが、ひとりなので十分です。宿のHPには定員3名と書いてありましたが、このお部屋は1~2名用な気がします。3名だとちょっと狭いかな、というか寝る場所がない?

ちなみにすでにお布団が敷いてあるように見えますが、これは実はベッドなんです!たしかにこの6帖の空間で、布団が敷きっぱなしのところでご飯を食べるのは(今日は部屋食です)ちょっとなぁと思わなくもないのですが、ベッドだと気持ちがちょっと違いますね!ベッドだったら仕方ないかなぁ、みたいな?ま、気の持ちような気もしますがw私はちょっとそういうところを気にしてしまうタイプなので、ベッドなのはありがたいなぁと思いました。

室内の設えは最低限(テレビとか金庫とか)で、湯沸かしポットはありますがなんと給茶セットなどもありません。そのかわりロビーにドリンクコーナーがあって、そこで飲むことができます。とはいえ紙コップとかでは準備されておらず、部屋に持ち込むことはできなさそうでしたので、ちょっとそこは不便というか、お風呂上がりなどに飲み物がなにもなくて困りましたが(だから必要あればロビーで飲んでくるしかなさそうです)。

さて、せっかく早々にチェックインしたわけですから、何を置いてもお風呂にいきます!

お風呂

お風呂は貸切が1つと、露天風呂と内湯が各ひとつずつあります。女湯は露天風呂と内湯がつながっていますが、男湯は露天風呂と内湯が別々にあるのでちょっと面倒かもしません。

貸切風呂「青根の湯」

フロントからエレベーターを通り過ぎたさらに奥(館内案内図参照)に貸切風呂があります。宿泊中は誰でも、空いていれば入ることができます。時間制限は30分です。

入口の掛札が「空き」になっていることを確認してそれをひっくり返し、扉を開けて鍵を閉めます。入口を入ると、ちょっとした廊下があります。

 

それをさらに進むと、今度は下りと階段が続きます。

 

写真はありませんが、この廊下を抜けると簡易的な脱衣スペースがあります。そこに温泉成分表が貼ってあったり。

源泉100%掛け流しです。加温や消毒などもなし。最高!そしてこの脇にある扉を開けると…

おお!こじんまりとはしていますが(むしろ貸し切り風呂だからこその、これくらいの大きさがちょうどいい)、THE青根温泉的な、無色透明のお湯がドバドバ流れてきています。この源泉掛け流しを独り占めできるという贅沢。ですね、好き!

 

見上げると、ちらちらと桜🌸網が掛かっちゃっているのは残念ですが、青空と桜を見ながら温泉に入るという幸せ~

そして、入って右側にはこんな入り口(?)が。

入ってみると…

穴ぐら!!湿気がこもっている感じがあるので、ちょっとしたサウナ的な感じ?長居はできなそうですが、昼なのに夜を感じられる雰囲気も良し!露天風呂がある温泉はごまんとありますが、こんな穴ぐらのような空間があるのは珍しいような?初めて観た気が!しかも貸し切り風呂で!

内湯+露天風呂「陽光の湯」「ご来光の湯」

すばらしい貸切を経験してしまうと、そちらばかり行ってしまいたくなるのですが…実はここの温泉は貸し切りではない露天風呂もとても素晴らしいのです!!

男性は内湯と露天風呂が別々の入り口になっているのですが(脱衣室も別)、女性は内湯からそのまま露天風呂に行ける形式になっています。

写真はないので公式HPをご覧いただくしかないのですが…

 

www.aoneonsen.com

このHPに掲載の写真でも伝わるのではないでしょうか!?「山景の宿」と謳っているのは間違いなくて、眼下に青根の自然が広がるのですが…なんと女湯のほうは、目の前が大きな桜の木なんです!上記「陽光の湯」の夜の写真でライトアップされている木ですね。ライトアップされ、また月光に照らされる桜木を眺めながら、温泉に入るんですよ…幸せすぎませんか。。

またも上記HPの写真をみてもらうとわかるんですけど、浴槽内に木の棒が横たわっているのが見えると思うのですが、この棒から景色側に向かって床高が高くなっていて、木の棒に頭を乗せて寝転んだような状態で景色を堪能できるんですよ。この日の湯加減はそこまで熱くなく、どちらかといえばぬる湯に近い状態だったんですけど、貸し切りではないので時間を気にせずにずっと入っていられて、本当に極上の幸せでした…。私は今回休みの日の土日を使っての宿泊だったのですが、夜8時くらいだというのに他にだれも入ってこなくて、文字通り貸し切り花見風呂を堪能させていただきました。いや本当に最高だった…。これを目的にしてまた春に絶対来るぞ!と心に誓った瞬間でしたw

ちなみに、特に桜を狙って予約したわけじゃなくて、本当にたまたま行った日がちょうど桜が満開の日だったんですよ…自分の強運っぷりにびっくりしましたw

清潔な洗面所は快適

上述のとおり私が今回宿泊した部屋にはトイレや洗面所がないのですが、別できちんとした洗面所が用意されていました。



昔ながらの湯治宿なんかだと、洗面所は廊下の一角に昔ながらのそのままになっているようなところもあるのですが(それはそれでいいけれど)、この旅館はリフォームしたのかモダンな雰囲気の洗面所で、思わず長居してしまいたくなってしまいそうな空間でした。

その理由のひとつとして、なんとマニキュアのセルフサービスがあったりするのです!これはあまりないサービスですね、些細なことですが嬉しいです。ここで使って下さいという注釈はありましたが、清潔で綺麗な空間だからこそ、のんびりネイルをするのもまた良かったりして。

屋上から青根を一望

ここの旅館は、そんなに建物の高さがあるわけではないのですが、屋上が解放されており、青根の山々を一望することができます。

屋上に出るとこんな景色が。

連なる山々が見えます。下の方にちらっと桜が見えていますが、山の中にもよく見ると山桜がぽつぽつ咲いていました。そんな中でウグイスが鳴いていたりして…春ですねぇ。

今回は春に訪れましたが、今度は紅葉の季節もいいかもしれないですね!

 

そして、これはもしや夜は満点の星空が…!?と思って、かなり期待していたのですが、(晴れてはいたのですが)降るような満点の星空というわけではありませんでした。というのはこの日は月齢が満月に近くて、月明りが光々としていたからかと思います。とはいえ星はたくさん出ていて、夜だというのにしばらく屋上でぼーっとしていました。それもそれで、良い時間。

食事

お食事は夕食、朝食いずれも部屋食での提供でした。ひとりだしコロナ渦だし、部屋で気兼ねなくゆっくり食事をとることができるのはありがたいですね。部屋食ということもあってこの旅館を選んだ、というのも実はあります。

食事の前に、実は別注で山菜の天ぷらが注文できると聞いて、迷うことなく事前オーダーしておきました。山の宿ですし、ちょうど春だし、山菜が食べたいと実は旅のあいだ中ずっと思っていてw正直、今まで泊まった他のお宿と比べてお値段はそこまで張らない旅館なので、お食事は期待していなかったのですが、オプションでつけられてるのであれば!ということで注文しました。

注文はいまどきっぽくネットでお部屋から行います。館内案内にQRコードが付いていたと思うのですが、それを読み込んで注文します。

夕食

食事はあまり期待していなかったと上述しましたが…先に謝っておきますw控えめに意ってめちゃくちゃ良かったです!「最高すぎない?」って何度心の中でつぶやいたかw私が写真取り忘れているだけかもしれませんが、お品書きはありません。

食事全景(?)を撮ろうとしたけれど写しきれませんでした。これがテーブルの右側。

ちょっとピンボケしていますが、これがテーブルの左側。ご飯・味噌汁と焼き物、デザート、なにやら紙袋までありますね。

まずは温かいうちに天ぷらをいただきます。

あまり天ぷらに詳しくないのですが、タケノコ、こごみ(orぜんまい?)、ふきのとうあたりはわかりました。コシアブラもあったかなぁ。でも何でもいいんですw、とにかく美味しければ。抹茶塩でいただくというのもいいですねぇ。天ぷらは塩派です。

いわゆる先付などですかね。山の宿なのに刺身?と思うかもしれませんが、鱒はこの青根温泉がある川崎町でとれる川魚ですね。以前宿泊した「不忘閣」でも出てきた地のものですね。

もちろん山菜も入っています!このこごみ(?)も春の香りがしてとても美味しくいただきました。

おしのぎでお蕎麦。地元のお蕎麦でしょうか。白髪ネギと一緒につるつるといけちゃいます。もっと食べたかったw

食べかけ失礼!お麩と豚肉の味噌鍋(といえばいいでしょうか)です。お味噌というのが珍しいですよね。このあとのお椀もですが、色の濃い赤味噌が使われています。このお味噌が豚肉と合う!お麩や豆腐など、比較的素材の味が淡泊なものが具材となっていますが、だからこそ味噌味がちょうど良くて!最後は卵を落として卵とじのようにして〆ます。最高です。とても美味しくいただきました。

御飯はなんと白米ではなく、豆ご飯に佃煮が乗っています!こういう些細なところが嬉しい。お椀の赤味噌のお味噌汁とも合います。

焼き物は牛と野菜。夏先取りのような素材ですが、なんといっても牛が柔らかくて、味もしっかりあって旨味が口の中で溢れました。

デザートはガトーショコラと抹茶の…これはなんだっけか。失念してしまいました。すごく柔らかかった記憶はあるのですが。

そして謎の紙袋の中身は…お夜食として、キャラメルスコーンでした!写真撮るのを忘れてしまったのですが。別注した天ぷらを除いたとしても、これだけの量が出て、しかもお夜食まで出るなんて!「料理でおもてなしをする」という気持ちが伝わってくる夕食でした。本当に大満足!

朝食

夕食を堪能してめちゃくちゃお腹いっぱいになった次の日の朝食…もちろん期待しないわけにはいきませんw

まだ食べていないのに、まず見ただけで「最高の朝食だ…!」と思いましたw

定番のサラダ、卵焼き、温泉卵、鮭などの定番(だけど間違いなく美味しい)に加えて、お味噌汁が鍋台に乗っていて、温めながら食べられるのも嬉しい。

真ん中の小鉢3種はこんな感じ。特にこんにゃくとレンコンの味付けは、白米にめちゃくちゃ合います。そして温泉卵に漬物に納豆に鮭に…もう白米が止まらなくて、、おひつほぼ空にしてしまいました、ひとりでwそれだけで、この朝食がどれだけ美味しいかわかるかと思います…!

また季節を変えて泊まりたい

今回はじめてこの「山景の宿 流辿」に宿泊しましたが、温泉、食事、設備、どれをとっても満足度がかなり高いお宿でした!部屋は一番シンプルなやつでしたが、ひとりであれば十分で、なによりも良いお湯とすばらしい食事が満足度をグッと上げ、さらに屋上が解放されていたり、予約なしの誰でも使える貸切風呂があったりと、つかず離れずのような寄り添うような接客はないですが、適度に距離感はありつつも設備的なところやお料理なんかで「おもてなし」を感じられる宿でした。

また思いがけずちょうど桜が咲いている季節に宿泊となりましたが、花見をしながらの温泉は極上でしたし、また季節を変えて何度も宿泊したい宿となりました。

 

 

春の温泉花見旅~前編~

冬に行った青根温泉があまりに楽しく、そしていいお湯ですっかり気に入ってしまい、雪がとけるのを待ってノーマルタイヤでも行ける季節になったところでまたも青根温泉に旅に出ました。意図せずちょうど花見の時季と重なり、とてもいい季節の温泉旅。だいぶ遅いですが振り返っていきたいと思います。

 

冒頭にも書いたように、今回は車での旅。せっかく車での旅で自由が利くので、行ってみたかったパン屋さんに立ち寄ってお昼ごはんを調達することにしました。ひとり旅で困ること(といっても慣れてくるとほぼ困ることはなくなりますが笑)のひとつにご飯問題があると思うのですが、車での旅だとテイクアウトして公園や車で食べるようなこともできるので、楽です。とはいえせっかくの旅なので、コンビニ飯は避けたいところ。

ランチ ノワールベーカリー


今回立ち寄ったのは、仙台市泉区加茂にある、ノワールベーカリー。

 

店内は狭く、大人4,5人が入ったら身動きが取れなくなりそう。ということで、人数制限がかかっており、順番に並んで入店できるのを待ちます。
ここはなんといってもカレーパンが有名。他にも狭い店内にパンがびっしりと並べられていました。チェーン店のパン屋とは違い、ちょっとずつ色んな種類が置いてある印象。
私がチョイスしたのは、名物のカレーパンと、無花果のサンド、そしてキャラメルスコーン。


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カレーパンはちょい辛口。パンの生地はもっちりしていて弾力があって、いつまでも噛んでいたくなってしまうwこれを目当てに来る人がいるのも頷ける。

無花果のサンドは、胡桃と無花果の相性が抜群!サンドウィッチとはいえパンズがハード系なのもポイント高いです。パンズのもちもちという食感と胡桃の食感、そして無花果の、甘みが口に広がる、またリピートしたい4品。

キャラメルスコーンは、キャラメルの香りがすごく良かったんですけど、お値段の割にはちょっと小ぶりかなぁ。美味しくてあっという間に食べてしまったので、もう一回り大きいのを希望w

お腹いっぱいになったところで、青根温泉に向かいます。

湖畔でお花見

 

が、途中「みちのく湖畔公園」があるので、そのへんで桜なんか見れたりしないかなぁ、と淡い期待。かといってわざわざ湖畔公園に入園料出して入るような時間はない。

そしたら


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咲いてた🌸


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ちょうど仙台側から湖畔公園に向かうちょっと手前にチェーン装着場(とはなってなかったけど)みたいな場所があって、そこからの景色。よく見ると湖の向こうにも桜が咲いていて、あたり一面満開のようでした!

ひととおり満喫したあと、青根温泉目指していくぞ!と思い車を走らせたのも束の間、今度は「みちのく公園休憩所」という看板が見えたのですかさず入りますw

 


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おおお!きれい!!天気も良くて花見日和です!

私自身、みちのく湖畔公園は幼少期から何度も来たことがあるのですが、その手前にあるここ「みちのく公園休憩所」には今回初めて来ました。とっても小規模な道の駅みたいなところで、実際は駐車場と公園(といっても遊具があるとかではない)がメイン、プラス軽食がちょっとできるような感じみたいでしたが、中に入らなかったので実際どんな感じかはわかりません。


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たまたま通りかかったからわかりましたが、本来こんなところにこんな花見スポットがあるとは思わず、家族連れでお花見しているグループが一組いたくらいで、あとは私のようにたまたま通りかかったような人たちがパラパラいた感じ。散歩しながらゆっくり花見ができました🌸湖畔公園に入らなくても、湖畔にこんないい場所があったとは。

ちなみに道路挟んで向かいには、みちのく公園里山地区の入り口がありました。昔からこんなエリアあったかなぁ。私は行ったことがありません。

花見を堪能したので、ようやく出発w青根温泉を目指します。といってもチェックインにはまだ時間があるので、近くの日帰り温泉施設「じゃっぽの湯」を目的地にし、まずはひとっ風呂という計画です。

じゃっぽの湯でひとっ風呂

 

「じゃっぽの湯」までは車で約20分。後半5分くらいは、山登りです。ヘアピンカーブの連続で、若干ドキドキしながら進みます。後続車いなくて良かったー(煽られなくてもプレッシャーになるので、そういうときは譲っちゃいます)。

「じゃっぽの湯」はいつGooglemapのライブ情報をみても「混んでいます」となっていたので、覚悟して行ったのですが、、、やっぱり混んでいました。洗い場の数も多くはなく、湯船もそこまで大きくはないので、”入れ替わり立ち替わり”といった状態。青根温泉特有の無味無臭に近い透明なお湯をゆっくり堪能することなく、また休憩室のようなところもないため、結果慌ただしく出てきてしまったような感じでした。

平日にいけばまた違うんでしょうけどね。

思ったよりもじゃっぽの湯を堪能できませんでしたが、少し車のなかで時間を潰して、本日の宿へ向かいます。

 

中編へ続く!

 

青根温泉「不忘閣」で贅沢な温泉満喫旅~後編~

「不忘閣」1泊旅。今回は後編になります。前編はこちら↓

 

raisyutabi.hatenablog.jp

 

 

食事

お食事は朝夕ともに個室でいただきます。こんな雰囲気のある通路を通り、障子を開けると個室になっていました。

夕食

夕食は18時から。案内いただいた個室に入るとすでに一部献立が並んでいます。

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席につくと飲み物のオーダーを聞かれたので、テーブルに並んだお料理を見て「日本酒だ!」と笑。せっかくなら地のものを…と思い、青根温泉でつくられたという純米大吟醸をチョイス。


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美しい酒器。私は普段日本酒はあまり飲まないのですが、このお酒はさっぱりとして飲みやすくて、グビグビいきそうで危険でした笑。よく冷えていてお料理にもとても合って、おいしくいただきました🍶

本日のお品書き。


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先にならんでいたのは先付と八寸、酢の物。


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先付は銀杏豆腐と柚子釜焼茸ポン酢和え。この、きのこ×柚子×いくらの組合せが香りよく、もっと食べたい!と思うほどでした。


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八寸は、ひとつひとつが丁寧につくられているのがわかります。そしてお酒に合う!秋刀魚のみぞれ煮や公魚(わかさぎ)など、(山の上なのに)魚が多い印象ですが、どれも絶品。他にも茄子のゴマ和えがシンプルに美味しくて。勿体なくてちびちび食べていました。八寸までですでに高まる満足度。


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順番戻りますが、食前酒の柿ワインと、お品書きでは後半に書いてあった酢の物の鯵南蛮漬け。柿ワインは柿の香り広がるジュースに近いようなワイン。鯵の南蛮漬けはレモンをちょっとしぼってさっぱりといただきました。

…と楽しんでいる間にお造りがきました。


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蛸、鱒、鯛、甘海老。一見わからないのですが、蛸の表面がほんのすこーしだけ炙ってあったんですよね。お造りでさえそうやって手が込んでいるんです。地元蔵王で捕れた鱒も美味しく、口の中に広がる甘みを堪能しました。


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伊達椀は鱸の塩焼と沢もだし。この鱸の塩焼が焼いてあることによって風味がよく、身も口の中でほろほろと崩れつつ旨味が広がるので、非常に美味しかったです。沢もだしってなんだろう?と思って調べたら、きのこなんですね。こういう、普段食卓ではお目にかかれない食材がでてくるのもいいですよね。山の温泉ならでは。

椀を持ってきていただいたタイミングで台物に火を付けてもらった記憶。この日は塩ちゃんこ風寄せ鍋。あの…私ちゃんこ鍋って食べたことがなくて。鶏だしなのがちゃんこの特徴なんですかね。味付けがとても好みで、もっと食べたい!と思ったほどでした笑


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凌ぎは、川音亭の手打ちそば。川音亭は、川崎町方面から青根温泉に登っていく道のりの途中にあるお蕎麦屋さん。そこから仕入れているということでしょうね。人気店で、土日は混むらしいという噂は聞いたことがあるのですが、ここで食することができるとは思いませんでした。コシがすごくあるお蕎麦というわけではありませんでしたが、喉越しよくツルツルといけちゃいます。


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続いては煮物。万年もち米万頭。もち米独特のねっとりとした食感と、お出汁の味付けの組み合わせは間違いありません。なんか、、こういうシンプルなお料理にこそ、おいしさが宿るなって思いました。シンプルだけど、めちゃくちゃ美味しかったです。

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焼き物は鰆の西京焼き。そしてつぶ貝のバター焼き。西京焼きの濃いめの味付けが鰆とよく合います。つぶ貝のバター焼きは説明不要ですよね、絶対美味しいやつ(笑)


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そろそろ終盤かな…?と思いながらお品書きを見ると、まだあるという。かなりの品数で嬉しい。

茶碗蒸しと御飯と味噌汁、そして写真はありませんが香の物がきました。味噌汁はなめこ汁。…もうね、お腹いっぱいなのに箸が止まらないんですよ!美味しくて!!御飯と味噌汁と香の物というシンプルな構成なのに。

最後、デザートは栗プリン。自家製なんですかね。お品書きにあるように濃厚で美味しい栗プリンでした。お茶と一緒にいただきました。

 

品数多く、一品一品が本当に美味しいから夢中になって食べているので、どんどん食べれてしまう夕食でした。本当に美味しくいただきました!

朝食

朝食も(たしか)夕食と同じ個室でいただきます。個室に入ると、すでにメニューが並んでいます。

刺身こんにゃくにサラダ、鮭とかまぼこ。そしてデザートのオレンジ。

真ん中の長方形のを開けると、ご飯のお供たちが3種類も鎮座しています。これはご飯おかわりの予感…!

右上の小鉢は、ふたを開けると油揚げ+がんもどき??のような1品。

そしてこれだけではなく、湯豆腐と温泉卵、そして香の物もあります。これにご飯とお味噌汁ですからね…!最強の旅館の朝食でしょ。間違いないんですよ、ほんとに!

夕食でも思ったんですけど、ご飯の炊き方が最高なんですよね!何故だか家で食べてるのと違うんですよねぇ。同じひとめぼれなんですけど。上等なひとめぼれを仕入れているのか、それともやはり炊き方なのか…。朝食は特に、”ご飯のお供”がたくさんあって、結局ひとりでおひつを空にしてしまいそうになるほどご飯をおかわりしてしまいました。本当に美味しかった…!

食べかけで恐縮ですが、湯豆腐も王道ながら間違いない具材たち。

この後何杯も食べたご飯。そしてお味噌汁。

朝食も夕食も、本当に大満足でした。個室でゆっくり自分のペースで食べることができたのも、良かったですね。

歴史に触れる

不忘閣は歴史ある旅館で伊達家とも縁があるので、古い調度品や歴史的価値のある品々を拝見することができます。歴史好きならずとも見ていて面白いものがあったので、ちょっとだけご紹介。

おやすみ処

正確にいうとおやすみ処の近くに置いてあったものですが。

タバコ?の自販機でしょうか。コインを入れるところはわかりますが、どこからどうやって出てくるのか??

この見たことのない代物はなんだろう?とよく見たら…

酒燗兼湯沸し器、とのこと。「河野式」でググってみたら、コーノ式珈琲サイフォンというのが今でもあるらしく。もしかしたらその会社が昔生産していたのかもしれませんね。違ったらごめんなさいですが。

青根御殿の見学会

不忘閣では、毎朝8:50~青根御殿の見学会があります。外からみると別棟のように見えますが、渡り廊下のような通路で繋がっているので外靴に履き替えなくてもそのまま行けます。

伊達のお殿様ゆかりの品々が展示してあり、女将さんが解説をしてくれます。

学芸員資格持ちとしては、保管方法これで大丈夫なのだろか…と多少心配にはなりましたが余計なお世話ですね…笑

貴重な紙の資料もたくさんありました。古い宿帳も残っていて、写真にはありませんが与謝野晶子も宿泊しているそうです。

照明も素敵でした。

この青根御殿にある調度品や資料だけでも、下手なそのへんの博物館よりよっぽど面白いなと思ったり。朝食後という、最後にお風呂に行ったり帰り支度をしたりと、ちょっとバタバタしがちな時間帯ではありますが、一見の価値はある見学会でした。

チェックアウト

帰りは10時チェックアウトで、そのまま帰りもアクティブリゾーツまで送迎いただきました。来た道を戻る感じなので、アクティブリゾーツから高速バスに乗り、仙台方面へと帰路につきました。

 

今回、初めて青根温泉に宿泊し、ずっと行ってみたかった不忘閣に1泊しましたが、湯巡りできるいくつもある温泉も、食事も、そしてスタッフの方の気遣いも、何もかもが大満足でした。不忘閣はひとり泊だと休前日は基本取り扱いがないようなので、平日に休みをとっての宿泊になりますが、のんびり湯巡りしつつ、歴史浸りながら美味しい御飯を食べるという、ひとり泊を存分に楽しめる旅館(むしろ湯巡りで忙しいまでありますが、、笑)だったので、また時季をみて宿泊したいと思います!

青根温泉「不忘閣」で贅沢な温泉満喫旅~前編~

宮城県川崎町の山の上(川崎町自体が山にありますが)に位置する青根温泉「不忘閣」は、かの伊達政宗も浸かりにきたという伝統ある温泉旅館。少し前になりますが、ある冬の日に、またも有給を利用し贅沢な温泉三昧の旅に出ました。

1泊の滞在でしたが、大満足の2日間になりましたので、前後編の2回に分けて書いていきたいと思います。

 

宿へは当初、車で行くことも考えましたが、冬山を私の拙い運転で登るのは不安が残るため、安全を優先しバスで行くことに。

15:00のチェックインに間に合うよう、お昼過ぎに仙台発の高速バスに乗ります。まずは乗車前に腹ごしらえ!笑

ブレアハウスで洋食ランチ→高速バスで移動

仙台の街中にある勾当台公園のすぐ近くにある「ブレアハウス」というイタリアンレストランでランチにします。このお店はイタリアンの定番メニューをリーズナブルな価格でいただけるお店。そしてメニューの種類も豊富なんです!私の口は早々に決めていました。今日はオムライスだ!と。


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ソースも数種類から選べるのですが、いつもデミグラスにしてしまいます。ランチセットなのでスープとサラダ、あと写っていませんがドリンク付。いわゆる最近はやりのとろとろっとしたオムライスではなく、かといって固すぎるわけでもなく、ちょうど良いふわっとした卵とチキンライス、そしてデミのバランスが本当に大好きで、ブレアハウスにくるといつもオムライスを頼んでしまいます。パスタや他のメニューも美味しいんですけどね。

お腹がいっぱいになったところで、遠刈田温泉行きの高速バスに乗ります。仙台駅前のバス停から乗ってもよかったのですが、せっかく勾当台公園近くに居たということと、平日金曜日とはいえ週末の温泉地行きのバスはもしかしたら混み合うかも…?という懸念もあり、始発の県庁市役所前から乗車しました。約1時間少々のバスの旅。

※走行ルートはこのとおりだったかはわからないけど、村田町は通っていた気がする。

終点のアクティブリゾーツ宮城蔵王で降車します。すると各旅館に向かうお迎えの車が何台か停まっており、そのなかに「不忘閣」さんのもありました。宿泊の数日前に電話連絡をして「何時の高速バスに乗ってアクティブリゾーツで下車します」と伝えており、その時間にあわせてお迎えにきていただけました。ちなみにチェックインが15時だったので、アクティブリゾーツに14時42分着の高速バスに乗りましたが、降車したらすでに待っていただいていました。ありがたい。

不忘閣までは10分くらいの乗車でした。アクティブリゾーツもまぁまぁ山なのですが、青根温泉さらに山の上。地図をみてもわかりますが、途中くねくねした山道を走ります。そして道路の脇には雪も残っており、自家用車で来なくてよかった…とすこしホッとしましたw

チェックイン

15時すぎにチェックイン。ロビーでお部屋とお風呂について説明いただきます。なんせ不忘閣はお風呂だけで5種類!それぞれのお風呂の場所も離れていたり、貸し切りだったり、入る時間が決まっていたりと、なかなか複雑です。全制覇するためには、この説明を聞きながら攻略法を考えないといけないですから!でも1回の説明ではなかなか覚えられなかったので、説明いただいた紙を写真に撮って、それを見ながら攻略していきましたw

時間も書いていただいたので、これを見れば1発。


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お部屋

チェックインが済むと、そのまま説明いただいた仲居さんの案内でお部屋へ。ちなみにこのとき案内してくださった仲居さんがとても親切で、「青根はここ数日寒いから、浴衣の上に羽織を着て歩いてくださいね」と気遣ってくださったり、館内ですれ違ったりするときには「蔵湯(貸し切り湯)入れましたか?」と声をかけてくださったりして、滞在中の心配りがとても素敵で。皆さんにそうやってらっしゃるのかもしれませんが、私がひとり客なのをもちろんわかっていらっしゃったと思うので、すごく嬉しかったです。

部屋に行くには、この扉の先の長い階段を上りきらないといけません。。。
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ちょっとした登山w何度もお風呂にいくと1日に何往復もしないといけないので、ちょっとしんどいですが、往復しなくても良いようにお風呂の近くにおやすみ処のような場所が設けられているので、お風呂をはしごするときなんかはそこで休憩したりしながら滞在すれば、そこまで苦ではなかったです。

通していただいたお部屋はこんなかんじ。ひとりなので十分広い。
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土間から上がったところにはお茶セット台(?)も。昔ながらの温泉旅館という感じで、テンション上がります。f:id:uchuno232:20220423222918j:image

襖を開けた窓からの眺めも最高でした!!夜は星がみえるかなぁ、なんて思いましたが、ちょっとこのあと天気が悪くなってきちゃったのであまり見えず。
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さて、山を眺めるのもよいですが、6種類のお風呂を制覇しないといけませんので、早速お風呂にいきます!

6種類の温泉

御殿の湯(大)(小)

貸し切り湯には洗い場がなかったりするので、まずは洗い場のある御殿の湯(小)に行き、身体を洗ってさっと湯に浸かります。

貸し切り湯ではないので写真はありませんが、小のほうは木で作られた小さめの浴槽で、何人か入るといっぱいになってしまいそう。幸いにも私が入ったときは誰もいらっしゃらなかったので洗い場も気を使わずに使えてラッキーでしたが。あと、こういう旅館てボディーソープやシャンプーってそんなに種類ないと思うのですが、ここには3種類くらい置いてあってびっくりでした!ここにしか洗い場ないからかな?

御殿の湯は大小2つありますが、時間での男女入れ替え制。大、のほうは夜に入りにいきましたが、小の浴室をそのまま大きくしたような空間でした。

亥之助の湯

御殿の湯(小)をあがると、貸し切り湯のひとつ、亥之助の湯が空いていたので、早速入ります!鍵をかけると、その先は完全貸し切り。ひとりでも無料で貸し切り風呂を使わせてもらえるという贅沢さ。

細い外廊下を通ると、ひとつの灯り。この先に小さい空間があって…
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そこには自分の背丈より小さいくぐり穴のようなものが。ここをくぐると、、
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小さい小屋のような空間に小さい浴槽が!!


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めちゃくちゃ良い雰囲気!みての通り小さい浴槽ですがひとりなので問題無し。外がちょっと見えるようになっている半露天のようなタイプで、外気を感じながら温泉独り占め。金曜日の夕方にひとり貸し切り温泉。幸せすぎる。仕事してる同僚のみんな、ごめんよ。

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本当はゆっくり浸かっていたい気持ちもあったのですが、貸し切りなのであまり長居せず…というか正直熱くてそんなに長湯はできません!この浴槽は温度高めでした。でも気持ちよかった。夜になったらまた空いていたので、もう1度入りました。


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夜も雰囲気があってとてもよかったです。

大湯

この旅館一番の名物といってもいい、大湯。私が滞在した間も人気で、常に誰かが入っているような状態でした。しかも男女入れ替え制なので、タイミングを逃すと入れない。私は夕食前と、翌日チェックアウト直前の二度ほど堪能しました。

貸し切りではないので写真は撮っていませんが、不忘閣のホームページに写真がありますのでそちらを是非。この旅館全体的にいえることですが、水面への照明の当て方がめちゃくちゃ綺麗で。大きな梁と大きな浴槽に、きらきらと光る水面。温度は亥之助の湯よりぬるめで、時間さえ許せばずーーっと入っていられるな、というお風呂でした。

もうひとつ、この「大湯」の特徴として、入り口を入って階段を下がっていったところに浴槽があるんですれども、特別”脱衣室”のような場所がなく、浴槽空間の端のほうに篭が並んでいて、そこで着替えるという仕組みです。昔ながらの感じなんでしょうか。今までこういう”脱衣室なしタイプ”は群馬の四万温泉の積善館(千と千尋湯屋のモデルになったんじゃないか?といわれている旅館ですね)にある「元禄の湯」で経験はありましたが、宮城県内の温泉では初めて。そのときは脱衣室がない、ということに面食らいましたがw、一度経験済みだったので今回はすんなり(?)受け入れました。初めてだとちょっとびっくりするかもしれないですね。

新湯

「大湯」と並び政宗の時代からあるという「新湯」は、男女入れ替え制で、私が滞在したときは女性は夜8時~でしたので、夕食をいただいたあとに入りに行きました。この御殿の湯(大)も歴史あるお風呂で、それこそ政宗の時代があると仰っていたような。

新湯は、大湯や亥之助の湯があるエリアからちょっと離れた、奥まった場所にあります。ちょっとした階段を下りて、『日本秘湯を守る会』の提灯の下がった先を進みます。静かでちょっと厳かな雰囲気…。

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「新湯」と表示がある扉を開けると、脱衣室があります。
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こちらも貸し切り湯ではないため写真はありませんが、浴槽自体は小さく、4人入ったらいっぱいになるような大きさ。しかしながら、石造りの本当に歴史を感じる空間でした。同じく歴史ある「大湯」は、浴槽の縁(?)は石造りでしたが、浴室自体は最近建て替えられた新しいものでしたが、こちらの「新湯」は空間そのものに歴史を感じました。実際どうなのかはわかりませんが、「新湯」のほうが古いんじゃないかな、というのは一目瞭然。名前は”新”湯なのに。この空間に何百年前から人々が癒やされてきたんだな…と思うとなんとも感慨深いものがありました。

私が入ったのは夜でしたが、浴室内に照明がほぼなく、かなり暗い中での入浴でした。このあと紹介する蔵湯も含め、どのお風呂も照明に拘りを感じたのですが、「新湯」についてはあえて暗くしているのかもしれません。それがまた良く、静かな暗い空間でのんびりお湯に浸かることができました。

蔵湯

さて!お待ちかねの蔵湯。蔵湯はフロントのところにある下記の札をゲットできたら入れるのですが、湯めぐりしながら何度も観に行ったのですが、なかなか空いておらず。f:id:uchuno232:20220515113143j:image

でも入らないでチェックアウトするのは絶対に嫌だったので、あまり人が行かないようときに…と考えて、夕食のすぐ後に見に行ってみたところ、ビンゴ!早速入りにいきます。

蔵湯への入り口に札を置いて、鍵を閉めて細い廊下を通ります。

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すると、(写真ではわかりづらいですが)半分外な空間に蔵が並んでいる、なんとも厳かな雰囲気。写真はありませんが、蔵の間に大崎八幡宮の御札が置いてある小さいお宮があったりして、夜だったのでちょっと雰囲気に飲まれそうになります、、、笑

ビビりながらも進んでいくと、蔵の重厚な扉と、「秘湯守る会」の提灯。
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扉を開けると…
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おおおおお!!これを独り占めできるというのは、、贅沢すぎません?最高だー!

この蔵湯も大湯と同じく、脱衣室のような空間があるわけではありません。でも問題ありません、だって貸し切りだもの。
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脱衣篭が置いてある側から撮った写真。十字に伸びる梁と、上から注がれる光できらきらする浴槽。湯船に入らずに思わず見とれてしまうほどです。
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お湯は透明に透き通っているので、浴槽の中まで光が届いています。実際入ってみるとやや熱めの温度なので、あまり長くは入っていられませんが(そういう意味では大湯はぬるめでちょうど良く、長湯できそうな温度でしたね)、時間制限があるのでちょうどよいのかもしれません。もしかしたら貸し切り湯はあえて熱めの温度設定なのかな?と思ったり。

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湯に浸かり、高い蔵の天井を見ながらこのお風呂に入ったとき、「贅沢だなぁ」と心底思いました。有料の家族風呂とかになってもおかしくないくらいの空間を、空いていれば(時間制限はありますが)私みたいにひとり泊の人間にも無料で入らせてくれるのは、本当にありがたいです!

梁には仕口の痕があったので、もしかしたら古材を使った梁なのかなぁ、などと、高い天井と梁を眺めながら考えを巡らせたりしました。

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お休み処

各お風呂は上の方に貼った館内図をみてもはわかるように固まった場所にあるのですが、いかんせん客室からは遠い。そこで、このおやすみ処を利用することで、客室をいったり来たりしなくとも湯めぐりができます。
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セルフサービスでお茶やコーヒー☕、ちょっとした柿ピーなんかもいただけますが、なんとお酒も置いてあるんです。なかなかないですよね。
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ちなみにこの旅館は客室にWi-Fiはないのですが、ここおやすみ処ではWi-Fiが繋がります。みなさん同じく湯めぐりをしていらっしゃるので、ここおやすみ処も常に人がいてなかなか一人でゆっくり、というわけにはいきませんでしたが、夜は人がいなかったのでここでのんびりさせてもらったりしました。

 

後半につづく。

ひたすら海鮮!宮城沿岸で海の幸を貪る旅④〜気仙沼day2編〜

女川から北上し気仙沼に1泊したのが前回まで、でした。

 

raisyutabi.hatenablog.jp

今回は旅の2日目にして最終日、気仙沼を満喫します。といっても帰りの時間があるため、約半日の気仙沼観光となりました。

今日は気仙沼の最終目的地として、気仙沼大島へ渡ります。まずは、「迎~ムカエル」というショッピングモールというか観光施設を目指しました。

10:30 迎~ムカエル~

近くの駐車場に車を停め、ふらっと立ち寄り。カフェがあったり、ラジオブースがあったり、あと大島への船の発着所があったりします。本当はここに入っているカフェでコーヒーでも飲みながらまったりしようかな~と思っていたのですが、ホテルの朝食が豪華でまだお腹がいっぱいだったので断念しました。

あと、本当はこのあたりでお昼御飯を調達しようと思っていた(テイクアウトの海鮮丼があれば買いたかった)のですが、まだ午前中だったというのもあってか、そういうものを売っているお店がありませんでした。近くの「生鮮館やまひろ」さんとかもありそうな雰囲気はしていたんですけどねー。当てが外れました。

11:00 気仙沼海の市

その後、散歩がてら徒歩で「気仙沼お魚いちば」を経由して「気仙沼海の市」へ。

気仙沼お魚いちば」はその名の通り海産物やその加工品を販売している場所でした。どちらかというと観光客向けですかね。私はちらっと覗いただけで終わってしまいましたが。

気仙沼海の市」も同じく海産物や加工品、あとお土産もかなり充実しており、そのようなショップが並んでいます。気仙沼のお土産はここに集結している感じでしょうね、ここで手に入らないものはたぶん気仙沼どこでも手に入らない気がします(笑)ちなみに「気仙沼シャークミュージアム」も併設されています、私は入りませんでしたが。


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映画『護られなかった者たちへ』のロケが気仙沼で行われていたとのことで、写真展のようなものが開催されていました。映画、まだ観れていないんですけど、そのうち観よう。

そしてこちらも。


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朝ドラ『おかえりモネ』展も開催されていました。これも私は一切観ていないのですが、無料とのことだったのでちらっとだけ拝見させていただきました。


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オープニング映像で使われた布(?)とのこと。

いずれの作品も清原果耶ちゃんが出演されていますね。妙に気仙沼ロケに縁のある女優さん。笑

12:00 気仙沼大島へ

さて、本日のメイン。私が気仙沼に来たかったもうひとつの理由、それは気仙沼大島に渡ること!数年前までは船でしか渡ることができなかった大島ですが、2019年に橋がかかったので気仙沼から気軽に渡れるようになりました。

車を停めていたムカエルの近くの駐車場まで戻り、車で大島のウェルカムターミナルを目指します。

 

この日はちょっと曇りで(近くの駐車場に一度車を停めて撮りました)。


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橋を渡ると、あっという間にウェルカムターミナルに着きました。


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ここも『おかえりモネ』推しですね。駐車場は満車で、第2駐車場に停めました。どちらかというと道の駅のような雰囲気です。レストランなんかも併設されていますので、ここで御飯を食べるのも良いかもしれません。私はお店でこれを購入。

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雑な写真ですが、、うにおにぎりと、気仙沼パン!海鮮とはいかないランチになってしまいましたが、これはこれで美味しくいただきました。気仙沼パンは他にもいろんな味があったので、他の種類にも挑戦してみたいです。

大島に上陸したはいいものの、やはり陸続きだと島に来た感は薄れますね…(笑)その後は小田の浜海岸のほうまでちょっとだけ車を走らせ、あとは帰路につきました。

 

旅の満足度★★★★☆ ホテルが最高!海鮮も満喫できた

「海の幸を貪る度」と称した2日間の気仙沼の旅。とにかくホテルが最高で、ホテルに滞在しただけで御飯も景色も気仙沼を満喫できたので、旅の満足度はかなり高かったです!1日目に女川で食べたお寿司もものすごく美味しかったし、2日目には滞在時間は短かったですが悲願の大島に渡ることができて、目的も達成できました!

しかし2日目、時間がない中でダラダラと(?)お土産屋さんを見て歩くだけになってしまったのはちょっと勿体なかったかな。私は性格上、ひとり旅のときは行程を全て事前に決めた上で行きたいタイプなのですが、もうちょっと練った方が良かったかなぁと思ったのでそこは☆マイナス1。

ただ気仙沼は海鮮は美味しいですし、まだまだ行けていない場所もたくさんあります。いつか気仙沼大島の休暇村に泊まってみたいなぁとも思っているので、また気仙沼に旅に出たいなと思います!